マラセチアについて|上青木もりクリニック|川口市の内科・消化器内科・小児科・皮膚科・アレルギー科

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マラセチアについて|上青木もりクリニック|川口市の内科・消化器内科・小児科・皮膚科・アレルギー科

マラセチアについて

アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギーを心配してアレルギー検査をされる方も多いと思いますが、その中にマラセチアという言葉を見かけたことはありませんか?当院でもアレルギー検査をされた際の結果説明のときに「マラセチアって?」と訊かれることも少なくありません

今回はこのマラセチアについて簡単にまとめてみたいと思います

 

マラセチアとは?

マラセチアは私たちの肌に常在する真菌(カビ)の一種です。成人の90%以上が持っているといわれています。2歳以下と10歳以上で多く検出され、60歳以上では低下します

マラセチアは頭皮や顔、上背部、胸など皮脂腺の多い部分に定着し、私たちが分泌する皮脂を分解し(餌にし)ています。通常は無害なのですが、脂質の分泌が増えたり、免疫バランスが崩れたりすると増殖して皮膚に炎症やかゆみを起こすわけです

 

マラセチアとアトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の症状のある方がアレルギー検査をするとスギやハウスダスト、ダニなどにも反応が出ていることが多いのですが、マラセチアも多く、アトピー性皮膚炎の増悪因子の一つと考えられています

前回の投稿で「アトピー性皮膚炎と汗」についてまとめましたが、その「汗」の中にマラセチアの産生するタンパクが含まれていて、このタンパクがアトピー性皮膚炎を悪化させる要因の一つではという報告もあります

汗をしっかり流して肌を清潔に保つこと、そして肌のバリアを保つために適切な保湿が大切なのです

 

ニキビとマラセチア毛嚢炎

「背中や胸のニキビがなかなか治らない」と悩んでいる方はいませんか?通常のニキビの治療ではなかなか治らない場合は「マラセチア毛包炎」かもしれません

ニキビとマラセチア毛包炎との見た目の違いはニキビの大きさが直径数mm~2cmまでさまざまであるのに対して、マラセチア毛包炎は直径2~3mmと均一な大きさであることが多いのです

また、どちらも顔や胸などに症状がよく見られますがマラセチア毛包炎は毛があるところならどこでもできる可能性があり、特に背中、胸、二の腕、肩などによくみられます。まれに痛みや刺激痛がある場合もあります

治療は、ニキビが「アクネ菌」に対する抗菌薬の外用がメインであるのに対し、マラセチア毛包炎は抗真菌薬の外用(場合により内服も)となります

 

マラセチア対策

汗をかいたらそのままにしない

高温多湿の環境では汗や皮脂の分泌が増えてマラセチアが増殖しやすくなります

梅雨の時期から秋にかけては特に汗をかいたら速やかにふき取ったりこまめに着替えたりしましょう

浴室を清潔に

マラセチアは皮脂を好むので、風呂釜やタオルなどを清潔に保つことも大切です

タオルも浴室ではなく外に干すのがよいでしょう

その他、一般的なカビ対策

湿気を避けるようにできるだけ換気をする、布団を乾燥させる、カビの餌となるホコリを取り除く、など

 

メッセージ

今回はマラセチアについてまとめてみました

マラセチアが増殖する原因には高温多湿の環境、ステロイド外用薬の使用、低栄養、妊娠、糖尿病などが知られています

これからやってくる梅雨の時期に備えて環境を整えるとともに、しっかり栄養と睡眠をとって体を元気に保ちましょう!

 

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