水いぼの治療について
- 2025年7月8日
- 感染症
水いぼのお話
水いぼの正式名称は「伝染性軟属腫」といって伝染性軟属ウィルスの感染による皮膚の感染症です
主に1~10歳くらいのお子様に多く、小児の約5~10%が感染するといわれています
通常半年から2年以内に免疫がつくと自然治癒しますが、その間に体中に広がってしまったり、兄弟姉妹にうつしてしまうことも多くあります
特にアトピー性皮膚炎や湿疹、乾燥肌があると皮膚のバリア機能の低下が起こり、より感染しやすく広がりやすくなる傾向にあります
水いぼができたら?
経過観察
いつかは治るものですので無理に治療はせず治るまで待つというのも選択肢の一つです
痛みや副作用もないというのが利点ですが、治るまでに半年から数年かかることもあり、その間に家族や友達にうつしてしまうリスクがあります
また、園や学校によっては水いぼがあるとプールに入れないといわれてしまうケースも多いようです
摘除(ピンセットでの摘出)
当院ではまず表面麻酔のテープを貼って1時間後ぐらいに1つ1つピンセットでつまんでつまみとっていきます
直接ウィルスを取り除くので短期間で治せるのが最大のメリットです
テープを貼っているのでそこまで痛みは感じないようですが、小さいお子さんですと安全上おさえておこないますので泣いてしまうこともあります
一度に最大10個程度の摘除を行いますので数が多い場合は何度か受診が必要になります
診察後にテープを処方して後日摘除前にご自宅で貼付してからご来院いただく方法と、院内で貼付後に一度外出してきただいて当日摘除する方法がありますのでご相談ください
m-BFクリーム
m-BFクリームは銀の抗ウィルス作用によって治していく水いぼの治療クリームです
銀イオンは昔から消毒に用いられていた成分で、低濃度でも細菌、真菌、ウィルスに有効とされています
このクリームでの治療は摘除とちがい痛みを伴わないのが最大のメリットです
1日2回塗布すると開始後数週間から1~2か月で水疱部分が赤く反応してきます。これが効いてきたサインです。そのまま使用し続けると1~2ヶ月程度で徐々に小さくなり消えていきます
約半数の方が2か月以内に、約8割の方が2~3か月程度で改善すると報告されています
年齢制限もないため赤ちゃんにも安心してご利用いただけますし、使用部位の制限もないので顔や陰部など摘除が難しい部位にも使用できます
メッセージ
最近、水いぼがあるとプールに入れないので治したい、と言われて受診される方がかなりいらっしゃいます。実際は水いぼがあったらプールに入ってはいけないという医学的な根拠はありません(ビート板の共有は避けたほうが良いです)が、できるだけ感染を広めないようにという園や学校の配慮も理解できます。すばやく治すなら摘除をお勧めしますが、時間に余裕がある場合はクリームでの治療を検討してみてもいいかもしれません。まずはお気軽に医師にご相談ください。
<ご予約>
摘除をご希望の方は内科予約、クリームをご希望の小児の方は小児科の予約をお願いします
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上青木もりクリニック