インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチン

インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症で、発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感、咳、鼻水などの症状を起こします。お子様ではまれに急性脳症を、ご高齢の方や免疫の低下している方では肺炎など重症化する場合もあります。季節性インフルエンザは流行性があり、日本では12月~3月に流行することが多いとされています。
インフルエンザワクチンには現在以下の2種類のワクチンがあります。
不活化ワクチンはインフルエンザの感染性を失わせ免疫を作るのに必要な成分を取り出してつくったものです。ウイルスとしての働きはないため、接種をしてインフルエンザを発症することはありません。
現在国内で広く使用されている不活化ワクチンは、インフルエンザウイルスA型株(H1N1株とH3N2株の2種類)およびB型株(山形系統株とビクトリア系統株の2種類)のそれぞれを培養して作られています。
※1回目の接種時に12歳だった場合は2回目の接種時に13歳になっていても2回の接種が可能です。
接種後おおむね2週間後より効果があらわれ、約4~5か月その効果が持続するといわれています。
接種を受けられた方の10~20%に接種した場所の赤み、腫れ、痛みがみられますが、通常は数日で消失します。毎年症状の出る方にはあらかじめ軟膏も処方できますのでご相談ください。全身性の反応としては、発熱、頭痛倦怠感などが挙げられ5~10%の方にみられますが、こちらも数日で消失します。また、まれではありますが他のワクチン同様、ショックやアナフィラキシー様症状(発疹、じんましん、かゆみ、呼吸困難など)がみられる場合もあります。
フルミストは注射ではなく鼻の中に注入するタイプの生ワクチンです。痛くないこと、1回の接種で済むこと、効果が長く続くことなどが大きなメリットです。2003年に初めて米国で承認され、日本では2024年度より使用が開始されています。
フルミストは生ワクチンであり、鼻粘膜に直接付着して免疫反応を起こさせるので、重症化を抑制する効果だけでなく感染そのものを予防する効果も期待できます。
特に小児でその予防効果が強く、不活化ワクチンの注射より効果が長持ちするといわれており、その効果は1年程度持続するとの報告もあります。
ただ、海外の報告によるとその年の流行株によっても効果は様々なようで、日本小児科学会では不活化ワクチンとの効果に差があるとは明言していません。
副反応として30~40%の人で接種後3~7日までに鼻汁・鼻閉・咽頭痛・咳などの感冒症状が、また数%の人で発熱を認めることがあるとされていますが、弱毒化されているため実際にインフルエンザにかかったときのような強い症状は引き起こされません。
その他、頻度は高くありませんが下痢、腹痛、易疲労感、筋肉痛、発疹、鼻出血、蕁麻疹などの報告もあります。
医師が必要と認めた場合には他のワクチンと同時接種も可能です。
※米国では他の生ワクチンとの接種間隔は4週以上となっていますが日本では特に間隔は制限されていません
米国では喘息または喘鳴の既往歴のある2~4歳児への接種を推奨していませんが、日本の添付文書上では「重度の喘息を有する者または喘鳴の症状を有する者における接種には注意」という記載のみとなっています。喘息の治療をしている方でも症状が安定していれば接種は可能かと思いますのでまずはご相談ください。
喘息を持っている患者さんがインフルエンザにかかってしまうと重症化することも珍しくありません。フルミストでも従来の不活化ワクチンでも、とにかく予防していくことが大切です。
フルミストは鼻粘膜に直接付着させて増殖させるため、鼻咽頭分泌物に最長3~4週間排出する可能性があると報告されています。接種後にインフルエンザの抗原検査をすると陽性となってしまい、実際にかかったのかワクチンの影響なのかわからない可能性があります。また、ワクチン接種後2週間以内(薬剤にもよりますが)にインフルエンザ治療薬を投与した場合、ワクチンの効果がしっかり得られるのかもはっきりしていません。以上より、フルミストをご希望の方は流行期に入る前に済ませておくことをお勧めします。
日本ではフルミストの使用が開始されてまだ日が浅いため、いろいろと不安に感じて迷われる方も多いと思います。実際接種をしてみると、いつもは大泣きで帰っていくお子様もニコニコしながら終わるので保護者の方のストレスも少ないのではという印象です。注射の苦手な方、効果を持続させたい受験生などにはお勧めです。
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